鮮魚配送は、ただ魚を目的地まで運べばよい仕事ではありません。

魚の傷みや変色、生きた魚介類の状態。品質にこだわるホテルや飲食店への配送では、ドライバーにも商品への理解と丁寧な取り扱いが求められます。

大阪府豊中市を拠点とする株式会社谷町では、過去に大阪の市場内にある水産卸売会社から、ホテル・飲食店・結婚式場などへ鮮魚や活魚を届ける定期配送を担当していました。

今回は、当時の運行内容を振り返りながら、鮮魚・活魚配送ならではの難しさと、現場で培った専門的な経験をご紹介します。

大阪の市場からホテル・飲食店へ。鮮魚定期配送の実例

当社が担当していたのは、大阪の市場内にある卸売会社から鮮魚・活魚を集荷し、大阪市内のホテルや飲食店、結婚式場などへ届ける定期配送です。

運行は平日の週5日。午前6時から配送を開始し、正午までには業務を終えるスケジュールでした。

1日あたりの納品件数は7〜12件程度。軽冷蔵車を使用し、複数の納品先を巡回するルート配送を行っていました。

当時の運行概要

項目配送内容
配送商品鮮魚・活魚・貝類・エビなど
集荷先大阪の市場内にある水産卸売会社
納品先ホテル・飲食店・結婚式場など
配送エリア大阪市内
運行頻度平日週5日
運行時間午前6時〜正午ごろ
納品件数1日7〜12件程度
使用車両軽冷蔵車
冷蔵機器の設定温度5℃
案件状況過去の配送実績

この配送の特徴は、通常の鮮魚だけでなく、生きた魚介類の輸送や、納品先での取り扱いまで含まれていたことです。

大阪の水産市場で鮮魚を集荷する軽貨物配送のイメージ

大阪の水産市場における集荷風景を再現したイメージ画像。実際の取引先や市場を示すものではありません。

鮮魚と活魚では、輸送に求められる配慮が異なる

鮮魚配送では、商品によって取り扱い方が異なります。

当時の配送では、通常の鮮魚だけでなく、生きた魚や貝類、エビなども同じ軽冷蔵車の荷室に積載していました。

冷蔵機器は5℃に設定して運行していましたが、活魚などについては、荷主である卸売会社が準備した海水入りの容器を使用していました。

海水入り容器とエアレーション装置による活魚輸送

活魚の輸送では、海水入りの容器に乾電池式のエアレーション装置、いわゆる「ぶくぶく」が取り付けられていました。

この装置は、輸送中も稼働させたまま運んでいました。

車両側から電源を供給する必要はありませんでしたが、海水の入った容器や付属設備を含め、通常の荷物とは異なる慎重な取り扱いが必要でした。

なお、車両の設定温度が5℃であっても、容器内の海水温度が5℃だったことを意味するものではありません。

生きた魚介類は、種類や状態によって適切な輸送環境が異なります。そのため、荷主が用意した輸送設備や商品の状態を理解したうえで取り扱うことが重要でした。

鮮魚・活魚の配送は、車両の温度設定だけで完結する仕事ではありません。

当社にとっても、商品ごとの特性を理解する必要性を学ぶ現場でした。

軽冷蔵車で鮮魚と海水入り容器の活魚を輸送する様子のイメージ

鮮魚・活魚の輸送を再現したAI生成イメージ。実際の容器配置や設備仕様を示すものではありません。

活魚の配送は、納品して終わりではない

今回の配送で特徴的だったのが、納品先での作業です。

ホテルや飲食店へ到着しても、商品を引き渡して終わりとは限りません。

納品先によっては、生きたエビや貝類などを、輸送容器から店舗側の水槽へ移し替える作業も担当していました。

移し替えの方法は現場によって異なり、手作業で慎重に移す場合もあれば、輸送容器の海水とともに移す場合もありました。

生きた魚介類は、取り扱い方によって状態が変わる可能性があります。

そのため、商品を傷つけないよう注意し、納品先の取り決めに従って丁寧に作業する必要がありました。

一般的な配送では、商品を指定場所へ届けることが業務の中心になります。

しかし、この現場では、「商品を届けた後、どのように取り扱うか」までがドライバーの仕事でした。

こうした経験は、鮮魚・活魚配送の専門性を理解するうえで貴重なものとなりました。

高級ホテルへの鮮魚納品で求められた品質への理解

当時の配送で、特に難しさを感じたのが高級ホテルへの納品でした。

一流の料理を提供するホテルでは、食材の品質に対する要求も厳しく、納品時には魚の傷みや変色、活魚やエビなどの活きの良さまで確認されることがありました。

配送ドライバーも、ただ荷物を届けるだけでは務まりません。

どのような商品を運んでいるのか。

納品先では、どのような状態が求められているのか。

商品の取り扱いによって、どのような影響が考えられるのか。

こうしたことを理解するため、ドライバー自身にも一定の商品知識が必要でした。

もちろん、商品の品質管理や検品には、卸売会社や納品先それぞれの役割があります。

それでも、配送に携わる以上、運んでいる商品の特性を知らずに取り扱うことはできません。

運転技術だけではなく、商品そのものの価値を理解すること。

高級ホテルへの鮮魚配送は、その重要性を実感する仕事でした。

品質上の指摘による返品・交換品の再配送にも対応

品質に対する要求が厳しい現場では、納品時に指摘を受けることもあります。

当社が担当していた当時も、魚の傷みや変色、活魚などの状態について指摘を受け、まれに返品・交換となるケースがありました。

その際には、返品となった商品を市場内の卸売会社まで持ち帰り、新たに準備された交換品をホテルなどの納品先へ再配送する対応も行っていました。

返品や交換の原因が、必ずしも輸送中にあったとは限りません。

しかし、配送ドライバーにも、荷主や納品先と連携しながら返品・交換の実務を担う役割が求められました。

予定していたルート配送に加え、返品商品の回収や交換品の再配送が発生することもある。

それが、当時の鮮魚配送の現場でした。

こうした経験を通じて、鮮魚配送には時間管理や荷扱いだけでなく、状況に応じて対応する柔軟性も必要だと学びました。

飲食店前で蓋付き発泡スチロール箱を台車で運ぶ鮮魚配送スタッフのイメージ

飲食店前で鮮魚を納品する様子を再現したAI生成イメージ。実際の納品店舗ではありません。

鮮魚の定期配送で重要なのは、商品と現場を理解すること

鮮魚・活魚の配送には、一般的な食品配送とは異なる難しさがあります。

今回の事例では、平日週5日、1日7〜12件程度の納品を行いながら、商品の状態や納品先ごとの作業に対応していました。

特に印象に残っているのは、活魚を海水入り容器とエアレーション装置で輸送したこと、生きた魚介類を納品先の水槽へ移し替えたこと、高級ホテルの品質要求に対応したこと、そして返品・交換品の再配送まで担当したことです。

これらは、単に配送ルートを覚えるだけでは十分に対応できない業務でした。

魚介類の特性や納品先ごとの手順を理解し、経験を積み重ねていく必要がありました。

鮮魚配送は、商品知識と現場経験が求められる専門性の高い物流業務です。

株式会社谷町にとっても、食品物流の専門性を考えるうえで貴重な経験となりました。

鮮魚配送で培った経験を、現在の食品物流へ

今回ご紹介した鮮魚・活魚の定期配送案件は、すでに終了しています。

しかし、現場で経験した繊細な荷扱いや、品質要求の高い納品先への対応は、当社が食品配送に取り組むうえでの大切な経験となっています。

株式会社谷町では、現在も大阪府豊中市を拠点に、冷蔵・冷凍・常温の軽貨物配送を行っています。

また、大手物流企業から受託した365日稼働の物流業務を4拠点で運営するなど、継続的な物流現場の管理経験も積み重ねています。

商品ごとに求められる取り扱いへの理解と、配送を継続するための運行体制。

その両方を大切にしながら、企業様の物流業務を支えていきたいと考えています。

関連する食品定期配送の実績

当社では、鮮魚配送以外にも、軽冷蔵車による加工食品の店舗配送を行っています。

週6日、早朝3時から約10店舗へおにぎりなどの加工食品を配送し、空番重の回収まで担当する事例もご紹介しています。

大阪の冷蔵・チルド定期配送事例はこちら

大阪で食品・鮮魚の定期配送をご検討の企業様へ

株式会社谷町では、大阪・北摂エリアを中心に、企業向けの軽貨物配送を行っています。

食品工場から店舗への定期配送や、複数の納品先を巡回するルート配送など、荷主様の業務内容に応じた配送についてご相談を承っています。

鮮魚・活魚など専門的な輸送については、商品の種類、必要な温度条件、輸送容器や設備、納品時の作業内容などを確認したうえで、現在の対応可否をご案内します。

配送業務の外部委託をご検討の際には、集荷場所・納品先・配送頻度・荷量など、分かる範囲の情報からお聞かせください。

大阪の食品定期配送・冷蔵配送のご相談は、株式会社谷町へ。


株式会社谷町

大阪府豊中市を拠点に、企業向けの冷蔵・冷凍・常温の軽貨物配送を展開。食品配送の実務経験と、複数拠点における物流運営経験を活かし、地域の商売と暮らしを支える物流サービスを提供しています。

※本記事は当社が過去に担当した配送業務に基づく事例紹介です。取引先・納品店舗を特定できる情報は掲載していません。現在の対応内容や輸送条件は案件ごとに異なります。